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2010年3月25日

京都新聞掲載記事

加齢が招く病気を知る
~お年寄りの健康のために家族ができること~

心臓の病気について

 心臓病を起こす原因として高血圧があります。高齢になると血管の弾力性が無くなるため、上の血圧が上がる収縮期高血圧という状態になります。現在、日本の患者数は約4千万人といわれています。高血圧を治療せずに放置しておくと、心臓肥大や心不全、心筋梗塞などの重大な病気につながります。2009年の日本高血圧学会のガイドラインで、65歳以上の人にも積極的に高血圧の治療を行う事が推奨され、最終目標値は上が140未満、下が90未満となっています。また家庭での血圧測定が推奨され、朝晩1日2回の測定が望ましいとされています。ただ高齢者の場合、急に血圧を下げると臓器の血流低下によって、立ちくらみや目まい、胸痛などの症状を起こすことがあるので、ゆっくり確実に血圧を下げることが望まれます。

心臓の血管の病気も脳血管と症状が似ていますね

 心臓は全身に血液を送るポンプの役目をしていますが、その機能が破綻してしまうのが心不全です。症状は慢性的な疲労、顔や足などのむくみ、体内に水分が溜まる事による体重の増加、食欲低下などがあります。ただ、高齢の方は我慢強いので、ご家族の方は方で息をしたりむくみがないか、血圧が急に上がっていないか、脈が速くなっていないかなどに気をつけてください。また高齢者の約1割が心房細動だと言われています。心房収縮が無くなることで心室に十分な血液を送り出すことができなくなるため、心臓の機能が低下し、血液量も約20%減少します。息切れ、めまいなどの症状が出て、これが長時間続くと心不全が起こる原因になります。無症状の人もいますが、放置すると5%ほどが脳梗塞になります。逆に脳梗塞の側から見れば3割ほどは心房細動が原因だと言われています。

感染症は薬物療法が中心になるのでしょうか

 狭心症や心筋梗塞の場合、カテーテル治療が必要になることがあります。心臓病であればまず日常生活の塩分摂取を控えてください。日本人の塩分量は1日11~12グラムと言われていますが、心不全の人は1日6~7グラムに抑えましょう。心房細動では脈を調整する薬を必要とし、脳梗塞などの寒栓症予防には、血の塊をできにくくする抗血小板剤、あるいは抗凝固剤などの投与が必要となります。

予防と日常気をつけることを教えてください

 高血圧の人はまず毎日血圧を測ってください。血圧手帳をつけてそれを見ながら気をつけましょう。また心臓が悪い人は毎日体重を計ってください。体重増加は心不全悪化を早期に発見する重要な指標です。できたら朝おしっこをした後に計ってください。

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